自分は何になろうとしてきたのだろう。生きるために食べ、食べるために働き、働き続けるために魂さえも擲ち、どんな非難にも耐えてきたつもりだ。己と家族を護るために。これまでの忍耐には何の甲斐があったのだろう。好きなことがなかったのごときこの人生を、いまさらに思い直しても良い時期になったのではなかろうか。