郷愁の町並み

江戸の町は、イメージとしてノスタルジーだけれど、歩き回る分には、鑑賞に足る物を見つけにくい。京都の町は、由緒正しいところだけれど、お寺の歴史が胡散臭い。大阪の町は、合理的雰囲気に溢れているけれど、ちょっとガラが悪そう。神戸の町は、ハイカラだけれど、他を寄せ付けない冷たさがあり、親しみにくい。広島の町は、悲劇を売り物にしていて、地方都市のひがみか、いじけている。ふる里の田舎は、何ほどの取り柄もないけれど、山稜さえも田圃の空気にも、捨て難いものがある。