短歌

古今・新古今

「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」在原業平(ありわらのなりひら「久方の光のどけき春の日にしずこころなく花の散るらむ」紀友則(きのとものり「花の色は移りにけりないたずらに我が身世にふるながめせしまに」小野小町「玉の緒よ絶…

久々に

残りたる命の炎細くして、まじないのごとつぶやくのかは。

肌触れ合え

人目避け 木蔭でひそり 語らいて 肌触れ合えば 艶めかしかな

冬の朝

屋根に積む白雪寒し冬の朝 防寒対策出かけし吾は

綺麗か

きれいとはほめ言葉でなくとりあえず言ってみただけ心にもなく

ひなた

ひなたぼこ朝の冷たさ行き惑い光を求め温もり求め

急かされ

信号に早く行けとば急かされて 疲れし足は休む間もなく

隣町の祭りに行き

お祭りに人の集いて賑やかに 日常忘れ遊ぶはいつも 屋台波 美味し匂いに導かれ 腹の欲望抑え難くに

君を思うて

あこがれの君を思うてみるときは、忘我の時か回顧の時か

同居の妻が

ドア閉める音も猛々乱暴に 女らしさのかけらも見えず

落葉掃き きれいを喜ぶ心根と 人世の汚れも流してしまえ

鼻すする美女の憧れ失われ 色気も消えし花粉症では

暖弱く部屋の中でも厚着する 冬の準備はいつまでもせず

裏路地を曲がった先に幻想の記憶現れ我に何問う 見上げれば木立の精気 陽をさして 悲観な想い孤独に耐えて

見てくれを気にするほどでないけれど 鏡の自分 年老いわびし

雨後の日の霞たなびく山裾の まばらな人家静かに時過ぐ

ひもじさも慣れればいつか愉しきと 逞しくあれ遊楽なれと 聞く耳を持たぬ男に語りかけ 答え求めぬ質問ばかりを

パズルするカレンダーへの予定はめ 義務と好みの日程調整

無為に過ぐ朝の空気の嬉しさよ 何も持たない贅沢さかも

この命あと何年は生きれるか、悔いを残して置き去りにして 憧れは一人勝手に思うだけ、思われもせず記憶から消え

掛詞 伝統文化も今様は、単なる駄洒落 オヤジギャグなり

花育て 飾る努力は羨まし、その心根も美しくあれ

人生の残り時間に読む本は、駄文ばかりで無為に過ぎ行く

考える余裕のないとき指図され 無為に過ごすは日常茶飯

ナビの出すこっちが近いと指図する、反骨心が従い難し

朝靄に浮かぶ自然の冷たさよ、慎独我に行く末見えぬ

雲けぶる山の手前の白帯が街を覆いて汚れを隠し

小銭寄付 小さな力 寄せあえば 共存共栄 小我を越えて 世の中の主役は女性 男子には 生かされながら何の意義ある

菊並び 明けの明星 出迎えし 冷えた空気の日差し待つかは

中空に月のかかりて橋渡る 今日の成果も夢と消え行く