短歌

同居の妻が

ドア閉める音も猛々乱暴に 女らしさのかけらも見えず

落葉掃き きれいを喜ぶ心根と 人世の汚れも流してしまえ

鼻すする美女の憧れ失われ 色気も消えし花粉症では

暖弱く部屋の中でも厚着する 冬の準備はいつまでもせず

裏路地を曲がった先に幻想の記憶現れ我に何問う 見上げれば木立の精気 陽をさして 悲観な想い孤独に耐えて

見てくれを気にするほどでないけれど 鏡の自分 年老いわびし

雨後の日の霞たなびく山裾の まばらな人家静かに時過ぐ

ひもじさも慣れればいつか愉しきと 逞しくあれ遊楽なれと 聞く耳を持たぬ男に語りかけ 答え求めぬ質問ばかりを

パズルするカレンダーへの予定はめ 義務と好みの日程調整

無為に過ぐ朝の空気の嬉しさよ 何も持たない贅沢さかも

この命あと何年は生きれるか、悔いを残して置き去りにして 憧れは一人勝手に思うだけ、思われもせず記憶から消え

掛詞 伝統文化も今様は、単なる駄洒落 オヤジギャグなり

花育て 飾る努力は羨まし、その心根も美しくあれ

人生の残り時間に読む本は、駄文ばかりで無為に過ぎ行く

考える余裕のないとき指図され 無為に過ごすは日常茶飯

ナビの出すこっちが近いと指図する、反骨心が従い難し

朝靄に浮かぶ自然の冷たさよ、慎独我に行く末見えぬ

雲けぶる山の手前の白帯が街を覆いて汚れを隠し

小銭寄付 小さな力 寄せあえば 共存共栄 小我を越えて 世の中の主役は女性 男子には 生かされながら何の意義ある

菊並び 明けの明星 出迎えし 冷えた空気の日差し待つかは

中空に月のかかりて橋渡る 今日の成果も夢と消え行く

同情は爲にならないことありて 優しさだけで生きて居れない

仕事のみスカスカ人生何残る 偉ぶる人に教訓生きず

さざ波は風の紋様 木洩れ日は陽の恵みなり 落葉踏みしめ

納得は真実以外で得られると 訳知り顔の年寄り言わん 近道と思う錯覚 距離延ばし いつも人生 遠回りしつ

憧れは短き言葉で表せし 内に秘めたる熱き純情

水遣れば生気漲る草木の健気な姿 我を励ます

枕辺に積ぐねし本の嬉しさよ 生き永らえる糧を得しかな 親願う 世間並とは 笑えかし 人の目気にして生きては行かぬ

雨の中 鳩が啄ばむ餌探し 雨宿りし蚊に刺されつつ 葉が落ちて また蘇生する大木の 命は人も同じものかな

財産を持たぬ残さぬ子どもには自分で働き食いぶちつなげ

奇をてらう流行りに名を馳せ驕る人 陰徳陽報 我はこの道

延び上がる草木の強きしなやかさ わが精気の衰え寂し

待ち時間 効率悪く遣り過ごし 無為に浸るも楽しからずや

枕辺に積りし本の読みきれず、時間はあれど残り少なし

いいなあと羨む気持ち失せにけり、生きる楽しみその他に求め

朝市の人波湧き出で行列が好きで賑わう騒がし人らは 思うごと 腹のたつことばかりあり 我が家の伝統 築けぬままに

底冷えの家を飛び出し今日もまた、さすらう訳は誰にも知れず

暗き朝 ヘッドライトに照らされて、寝ぼけ眼は夢をも出でず

誰がいま人の道説く偉そうに、生老病死の意味さえ持てず

腰曲げて歩く姿は痛々し、明日の我が身を映す如くに

慰みに 書を読み音に戯れし、今日を忘れて 明日を夢見ず聞こえしは胸の鼓動の打ち続く、我が寿命のはかなきを泣く

秋の日にロングスカート翻し、何を夢見る乙女の朝は 軽やかに靴音鳴らし通り過ぐ、ビジネスウーマン肩肘張って 釣り銭の小銭集めて使うのみ、寄附する気持ち あってもなくても

落ち葉舞う 風強き日の朝ぼらけ、木々はざわめき 鳥は喚きて

束の間の唄に癒され振り返る過去はいつでも美しくある

朝日浴び 深き緑に懐かれて 虫に遊びし風に歌いし

雑草の強き意欲に見習いて、我も生きたや負けじ魂

かまびすし小鳥囀ずる窓の外、気象予報か世情不安か

流行の噂話に逆らいて、人は移ろい時も移ろう 暑き夜に本を読めども眠られず、子守唄さえ誘えもせずに 夢を買う、安心を買う、涙買う、価値あることに金は注ぎて

美意識にこだわり持ちて人知れず、唯我独尊 楽しく生きる 眠られず 立ち上がれずに 曲流し、のらりのらりと 浮世嫌いて 顔の肉 口角上げて 笑み作り 見てくれ直す 大人の心得

サワサワとポプラ並木は風を食み、泰然自若と夏の陽浴びて